みなさん、こんにちは。
心理カウンセラーの 山口侑希です。
以前、私は自己肯定感を高めるためには、心の奥深くに眠る潜在意識に働きかけることが大切だとお伝えしました。確かにそれは、自分を根っこから肯定するための非常に重要なアプローチです。
ですが、アダルトチルドレン(AC)として生きづらさを感じている多くの方から、
「頭では分かっても、なかなか行動に移せない」「潜在意識に働きかけるって、具体的にどうすればいいの?」というお声をいただきます。
そこで今日は、そんな皆さんの「次の一歩」として、自己肯定感と混同されがちな、
でもACの皆さんにこそ真っ先に育んでほしい「自己信頼」についてお話ししたいと思います。
自己肯定感と自己信頼、その明確な違いとは?
まずはっきりさせておきたいのが、自己肯定感と自己信頼の違いです。
この二つはよく似ていますが、その性質は大きく異なります。
自己肯定感は、自分の存在そのものを認め、ありのままの自分を受け入れる感覚です。
「私は私でいいんだ」「完璧じゃなくても大丈夫」と思える、いわば「自分の根っこ」のようなものです。
それに対し、自己信頼は「自分にはできる」という、具体的な行動や能力に対する信じる気持ちです。「私にはこの仕事をやり遂げる力がある」「あの人に話しかけても大丈夫」といった、未来の行動に対する確信と言えるでしょう。これは、あなたが何かを成し遂げるために動く「足腰」のようなものです。

アダルトチルドレンが本当に必要なのは、まず「自己信頼」です。
「え、自己肯定感じゃないの?」と思われたかもしれません。
潜在意識へのアプローチで自己肯定感を育むことも大切ですが、多くのACの方々が生きづらさを感じるのは、過去の経験からくる「どうせ自分にはできない」「失敗するに決まっている」といった強い思い込みが行動を阻んでしまうからです。
だからこそ、私が確信を持って言えるのは、アダルトチルドレンの皆さんが望む未来を築くためには、まず「自己信頼」を育むことが何よりも大切だということです。
なぜなら、自己信頼は「行動」と「成功体験」によって築かれるからです。
自己肯定感が、どちらかというと「感じる」ことで育まれるのに対し、自己信頼は、「行動」し、その結果として小さな「できた!」という成功体験を積み重ねることで育まれていくからです。
アダルトチルドレンの方々は、幼い頃の経験から「自分はダメだ」というネガティブな自己評価を深く抱えていることが多いです。
この状態からいきなり「自分はこれでいいんだ」と心の底から自己肯定感を抱くのは、非常に大きなハードルに感じられるかもしれません。
しかし、たとえ小さなことであっても「できた!」という体験を積み重ねること。
これが、あなたが「自分にもできる」という確信、つまり自己信頼を築くための、最も確実で強力な方法なのです。
この自己信頼が育つことで、やがて行動が変わり、その行動を通して、漠然とした自己肯定感も自然と育まれていきます。
◎小さな一歩が未来を変える確かな自信に
実際に私のカウンセリング講座で、自己信頼を育み、人生を好転させていった方の例をご紹介しまします。
~自分に自信が持てないTさんの場合~
Tさんは、40代後半に原因不明の大きな病気をして、いつまた病気が再発するか分からない自分に、これから何ができるのか・・・と、不安から自分に自信が持てなくなっていました。
Tさんには、1日の中で1つでもいいから「できたこと」をメモするというワークをやってもらいました。
「朝、目覚ましなしで起きられた」「昨日の残り物だけど、お昼ご飯を用意できた」
「買い物の途中で、少しだけ寄り道してみた」といった、どんなに些細なことでも構いません。
最初は「そんなこと書いて何の意味があるの?」と思っていたTさんですが、毎日書き出すうちに、意外にも「自分にもできることがある」と気づき始めました。
小さな「できた!」の積み重ねが、やがて「明日はもう少し難しいことに挑戦してみようかな」という意欲に変わり、最終的には「私にもできることはたくさんあるんだ」という確かな自己信頼が育っていきました。
Tさんのように、小さな成功体験を積み重ねることで、自分を信じる気持ち(自己信頼)は少しずつ育っていきます。
そして、それがやがて「私ってこれでいいんだ」という、自分をまるごと受け入れる感覚(自己肯定感)へと自然につながっていくでしょう。
もしあなたが、
- 何から手をつけていいか分からない
- 一人ではなかなか行動に移せない
- 過去の経験から自信が持てない
と感じているなら、ぜひ一度、カウンセリングで、あなたに合った「小さな一歩」を見つけてみませんか?
